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定期通販(D2C)のLTVの計算方法は?LTV最大化のため5つの方法もご紹介

カテゴリー: 広告運用

Ryutaro

           最終更新日: 2023.12.01

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「LTVの計算方法がよくわからない」という方は多いのではないでしょうか?

 

それもそのはず、LTVは売り方や求めたい対象によって計算方法が変わるからです。

 

そこで今回は通販業界の「定期通販(単品リピート通販)」に絞って、LTVの計算方法から定期通販におけるLTVを上げる施策までご紹介します。

LTV(ライフタイムバリュー)とは?

通販業界に入りたての方は、LTVの計算方法を知る前にもう一度LTVについてよく知っておく必要があります。

 

絶対大丈夫という方は目次から「通販におけるLTVの計算方法」までスキップしてください。

LTVの本来の意味

 

「LTV」は「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の頭文字を取った単語で、「顧客生涯価値」と訳されます。

 

分かりやすく言うと、「顧客が特定の商品やサービスに対して生涯支払った金額」という意味です。

人は気に入れば複数回買う

私たち消費者はよく、同じ商品を繰り返し買うことがありますよね。

 

例えばある化粧品の匂いが好きだったり、他の商品より少し高いけど自分の肌に合ってるから買うだったり、購買動機は様々ですが同じ商品を再度購入することが多いのです。

 

しかし顧客が他社製品に乗り換えたら、その時点でその顧客から得られる売上は止まります。

売上を上げるには顧客に離脱されることなく、いかにリピートしてもらえるかが重要ということですね。

 

そこでリピート率を上げ、売上が上がっているかを測る指標としてLTVが必要なのです。

期間を固定しないのか?

LTVは「顧客が生涯支払った金額」と上記しましたが、基本的には期間を決めることが多いです

 

商品やサービスの売り方によって1年や2年など、LTVの期間の決め方は様々ですが、一般的には「1年間」で計算されます

 

なぜ期間を決めるのかというと、例えば「この事業は2年目で損益分岐を迎え、2年間でいくらの売上になる」などビジネスにおける事業計画ができたり、必要な広告費を計算できたりするからです。

通販におけるLTVの計算方法

LTVを出す基本式

「LTV 計算方法」と調べてみても、出てくるのは「LTV=平均購買単価×平均購入頻度×平均購買期間」の式が多いと思います。

 

正直、計算しづらくてよく分からないという方も多いのではないでしょうか?

そこで、一般的にほとんど全ての業界にあてはまる基本式をご紹介します。

 

 

こちらは単純な顧客1人あたりのLTVを求められる最も簡単な式です。

 

ほぼ全てのビジネスで毎月・毎年の売上や購入人数を計算するので、上記の式に値を当てはめやすいですよね。

定期通販における2つのLTV計算方法

しかしながら定期通販(単品リピート通販)の場合はもう少し複雑になります。

 

なぜなら定期通販においては、初回価格と2回目以降の価格が異なることが多いからです。

 

そして毎月、新規顧客が生まれます。

 

 

ここで「1年間の総売上÷購入人数」で計算してしまうと、その中には2か月目~12か月目に買い始めた新規顧客とその売上も含まれているので、確実にLTVが低くなってしまいます。

 

つまり2~12か月目の新規顧客の売上は、今回の計算式に含めてはいけません。

 

 

(後ほど、間違って2~12か月目の新規顧客を含んだ計算では、どのくらいLTVが低くなってしまうかもお見せします。)

 

結論、定期通販(単品リピート通販)における「1商材のLTV」の求め方はこちらです。

 

「LTV=(初回単価×1月目購入件数 + 2~n回目の単価×1月目購入者の2~n回における残存者数) ÷ 初月購入人数」

 

(「2~n回」のところは各自算出したい期間における商品発送回数を入れて計算してください)

 

今回は1年間で計算するため、nを12とします。

※毎月発送する前提です

 

 

この場合「残存件数」はリピート率から計算します。

 

もし新商品のLTVの概算を出すなどで元のデータが無い場合は、既存商品や類似商品のリピート率を参考にしましょう。

 

例として、以下の条件の場合のLTVを求めてみましょう。

 

・初回1,980円、2回目以降3,960円
・業界平均リピート率75%
・毎月1500人の新規顧客獲得を目指す
・毎月1つ商品を発送

 

 

この式に当てはめると

 

1月目購入者の1年間のLTVを求められました。

 

では次に、もし間違って「LTV=総売上÷購入人数」の式で計算した場合もご紹介します。

 

この場合、2~12か月目に獲得した新規顧客の分も含めてしまうので、LTVがかなり低いです。

 

LTVから限界CPAが算出できる

また、算出したLTVから限界CPAを求めることができます。

 

限界CPAとは「定期商材の新規顧客を獲得するのに出せる最大の金額」で、これを超すと赤字です。

 

限界CPAは次の式で求められます。

 

 

例えば粗利率が40%としたら、LTV24,000円の時
24,000円×0.40=9,600円(限界CPA)です。

定期通販におけるLTVを高める5つの施策

上記した通り、定期通販(単品リピート通販)におけるLTVの式はこちらです。

 

「LTV=(初回単価×1月目購入件数 + 2~n回目の単価×1月目購入者の2~n回における残存者数) ÷ 初月購入人数」

 

つまりこちらの式に当てはまる数値を改善していけば、LTVを高めることができます。

商材の単価を上げる

まず1つ目の施策が「単価を上げる」ことです。

 

定期商材は初回単価と2回目以降の単価が異なることが多いので、どちらを上げるのが良いかなどは集客におけるメリット・デメリットも考えて慎重に決めましょう。

リピート率を上げる

2つ目は「リピート率を上げる」ことです。

 

リピート率が上がれば残存顧客が増えます。

 

計算式的に見れば、分母となる1月目購入者数はそのままですが、分子の「1月目購入者の2~n回における残存者数」が増え、LTVが上がるのです。

 

そしてリピート率を上げる方法ですが、様々な施策が考えられます。

 

例えば同梱物に次月のクーポンを入れて引き上げをしたり顧客満足の最大化を図ってステップメールを送ったりすることも施策の1つです。

発送個数を増やす

3つ目が「発送個数を増やす」ことです。

 

例えば2回目から2ヶ月ごとに2個発送するとします。

 

すると2月目の発送個数は「1月目購入者数(=1月目発送個数)×リピート率×2」です。

 

4ヶ月目6ヶ月目も同様に計算して足していくと、なんと1か月1個配送に比べて、1月目購入者とリピート率が同じにもかかわらず1月目購入者の2~n回における残存者数が増えます。

新規獲得コストを下げる

「LTV=平均購買単価×平均購入頻度×平均購買期間-(新規獲得コスト+顧客維持コスト)」

 

こちらの公式もLTVを算出するのによく使われます。

 

この式からいくと「新規獲得コストを下げる」こともLTVを高める施策の1つです。

 

広告の質を上げCPAを下げることができれば、LTVが高まります。

顧客維持コストを下げる

同様に「顧客維持コストを下げる」ことも施策の1つです。

 

例えば3つ目にご紹介した「発送個数を増やす」も顧客維持コストを下げることに繋がります。

 

なぜなら1回に2個発送するのでその分発送コストが減るからです。

 

他にも「コールセンター費用」や「販管費」を削ることでLTVが高められるでしょう。

 

しかしこの「顧客維持コストを下げる」は諸刃の剣でもあります。

 

例えば「発送個数を増やす」は、見込み客の購買意欲を削いで獲得件数の低下に繋がるかもしれません。

 

同様に「コールセンター費用や販管費を削る」はサービスの質が下がるかもしれず、それにより顧客満足度も下がり結果的にリピート率の悪化を招きかねません。

 

このように「顧客維持コストを下げる」ことは重要ではありますが、最終的な売上に繋がらない可能性があります。

 

LTVを高めるのはあくまでも「利益の最大化」という最終目標を達成するための1手段であることを忘れないようにしましょう。

まとめ

今回は定期通販(単品リピート通販)におけるLTVの計算方法や高め方を詳しく解説しました。

 

LTVは「売り方」や「求めたいLTVの種類」によって計算方法が異なることがお分かりいただけたかと思います。

 

ですが大元の式である「LTV=総売上÷購入人数」を念頭に入れておけば、どのような売り方でも自分でLTVの計算式を出すことができるはずです。

 

また、LTVを高める方法も計算式から考えることができましたね。

 

定期通販の改善箇所を見つけるためにも一度、商品のLTVを計算してみてください。

この記事を書いた人

Ryutaro

WEBコンサルティング事業部でリスティング広告を含めたアド全般の運用をしています。最近はChatGPTにハマってます。

     

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